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広島は、戦後から長い時間をかけて復興を遂げた街です。建造物や橋などのまちのインフラや、原爆死没者慰霊碑をはじめとするモニュメントには石が用いられ、それらの多くは広島の象徴となっています。私たちの業界は、官民で協力し合い、それらを創造する過程で専門技術と知見を積み重ね、街の復興とともに発展してきました。
広島市内の石材を扱う会社で勤務していた先代が、独立を経て設立したのがストーンオフィス・モリシタです。もう少しで、創業30周年を迎えます。ひとえに関係者のみなさまからのお力添えがあったからこそ、今の当社があります。
2014年に先代から社長職を継ぎ、会社としても新たな転換期を迎えようとしています。めまぐるしく変遷する社会情勢を乗り越えるには、環境に対して速やかに適応することも不可欠です。一方で、変わらず維持し続けなければならないことがあります。それは、石づくりに確かな根拠をもつということ。
昨今では、業界全体 でたしかな知識・経験をもつ技術者が少なくなり、工事の根幹を担う設計図が細かく描かれていないことは珍しくありません。経験をベースにした根拠が出せるかどうかは、些細なことでも仕上がりの質を大きく左右させます。
先代より大事にしてきたのは、どなたが見ても納得するような根拠を示すことでした。長きにわたり手を抜かず、誠実に設計業務を行なってきた当社には、その経験、知識、技術の蓄積が膨大にあります。だからこそ、私たちにはこのノウハウを生かし次世代に継承して多くの方々に役立てる使命があると思っています。
「石は、ストーンオフィス・モリシタに頼まないとダメだ」。そう思っていただけるよう広島に根を下ろし、これからもみなさまとご一緒に歩んでゆけたらと思っています。

代表取締役守下 康弘